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2008年7月
七月――
今月は北海道洞爺湖畔で国際サミットが開催される。サミットは頂上、ザ・サミットが首脳(陣)の意味。似た言葉で「シンポジウム」というのがある。syn(共に)とposis(飲酒)とが合わさった、ギリシア語のシンポジオンから出た言葉で、もともと「ともに飲む」「饗宴」の意味であった。
古代ギリシア時代の食事は、大変に貧しかった。オリーブと葡萄しか出来ない土地柄で、小麦その他は輸入に頼っていたから、食事は魚、果物、パン、油を主食として簡単なものであったようだ。ギリシア人は栄養不足で、体位も劣悪だったといわれる。だからこそ体位向上を目的としたオリンピックが開催された。
古代ギリシア人は貧しい食事をそこそこに済ませると、酒に楽しみを求め、葡萄酒を酌み交わしながら、音楽と知的な会話、談論に打ち興じた。食事と酒の順番は逆だが、食事が貧しく、ともに酒を飲むことのほうを重視する点では、古代ギリシア人と日本人はよく似ている。この「ともに酒を酌み交わすこと」こそ、シンポジウムの本義ということ。
この時季、暑さをしのぐには、やはりビール。いやいや、焼酎・チューハイ・・などなど、酔えば暑さも吹っ飛ぶというもの。仲間が集って和やかに懇親し、丁々発止とやりあって互いに傷つきささくれ立った心をいやす。酒ほど楽しいものはない。不幸な人をくよくよさせず、勇気ある人を更に勇敢にさせる不思議な力をもっている。
しかし、シンポジウムで盛り上がり友人にほめられて調子にのって飲み過ぎても、車の運転はご法度。酒の話を書いていて水を注したくはないが、暴走車を運転する意思の弱い人のために、酒が嫌いになる薬をつくったデンマーク人がいる。その薬の名は「アンタブス」。これを見れば、いやいや、これを飲めば頭痛と吐き気におそわれ、いかなる飲んべえもいっぺんに酒嫌いになると言われている。

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