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2008年11月

十一月――酒通には好い時季になってきた。
気温が下がりこれから日本酒のお燗が旨くなる。
以前、寿司屋で、「にぎり寿司に合わせる酒は何が好いですか?」と訊いてみたことがある。
店主曰く「つまみにはやや辛口のぬる燗、握りは熱いお茶」と明言された。
にぎり寿司には65度くらいのぬるい湯で出すお茶は、なまぐさものには合わない。
寿司は熱いお茶をずずっとすすって、口の中を洗い流すのがいいそうだ。


一般的にお燗に向く酒は、温めて旨くなる酸を多く含む純米酒が良いと言われる。
その酸は乳酸、コハク酸であり、コハク酸は貝の旨みの一部であって、アサリやしじみ汁は温かいほうが旨いと感じられる人はこの話が納得できる。
また純米酒の中でも冷やで味が重く感じられる生もと(きもと)造り、山廃(やまはい)造りはお燗をすることで、もたつきがなくなりシャキッとする。


昨今、お燗酒ブームで、酒関連の本で採り上げられているが、原酒のお湯割りもいけるのでお試しいただきたい。
湯は沸騰直前の湯を使うといい。
湯割りなら、奥さんに、「おーい酒を燗してくれ」と頼まなくていいし、夫婦で楽しめること受け合いである。




ついで話。
11月といえばボージョレー・ヌーヴォー。
フランスでは、コンヴィヴィアリテ(気軽に集う)なワインと言われ、コミュニケーションをとる手段に利用されている。
飲用温度は「井戸水の温度で」と勧められるが、さて何度?
夏の冷たい井戸水を想像してしまうが、12〜13度ということ。
赤ワインでも渋味が少ないので少し冷やしたほうが美味しく飲めるのだろう。

さて寒くなると、「かぜ気味で熱があるんだ」という声も聞こえてくる。
そんな人には卵酒をおすすめしたい。
卵酒というのは温度が大切。
70度の適温でトロトロになった卵酒は、体の芯まで温めてくれる。
体が温まれば汗が出る。
汗が出ることによって、代謝が高まり熱も下がる。
適度なアルコールが緊張をほぐして安眠と導いてくれるのだ。
たっぷり汗をかき、着替えをしてぐっすり眠れば、翌朝は気分爽快になること請け合いである。


コラム著者
ワインアドバイザー【(社)日本ソムリエ協会認定】
きき酒師【SSI認定】
フードオーガナイザー(食養管理士)【FBO認定】
中村 正法


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