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2012年5月
新緑の時季を迎え、庭の花が美しさを増している。
早朝に起きて、その変化を観るのは愉しいものである。

休日にウォーキングをしていて、道端に群生している花の中に赤紫のキクに似た花に目がいった。
アザミである。
葉に鋭いトゲがあって人間を拒否しているようにも思える。

別名マユハキと呼ばれるこの花は日本が原産地である。
アザミはヨーロッパにも咲いていて、スコットランドでは標章になっている。
これは、スコットランドの城に侵入しようとした他国の兵士が、靴を脱いで壕(ほり)に踏み入ったところ、壕は干上がっており、アザミの葉に刺されて声を出したところをスコットランドの兵士に発見されたという故事に由来しているそうだ。
フランスではアザミをchrdon(シャルドン)という。
ところで、白ぶどうのchardonnay(シャルドネ)の語源はラテン語のcardonnacum(カルドンナクム)で、「chardon(シャルドン=アザミ)でいっぱいの土地」という意味である。
シャルドネぶどうはフランスのブルゴーニュ地方マコンのシャルドネ村が発祥の地といわれているから、今頃、彼の地でもアザミが咲き誇っているのだろう。
よく知られた、この高貴な白ぶどう品種から造られるワインは、ワイン通の間ではよく話題になる。
初夏を感じさせる美しい黄金のワインカラーと癒される香りは、これからの季節、冷房が効いた部屋で楽しむには好いと思う。

今月、第2日曜日は『母の日』である。
この日は、「母への愛」が花言葉である赤のカーネーションを贈るのが一般的だが、ワイン好きのお母さんであるなら、少しお金を奮発して上質なシャルドネのワインをプレゼントしてみてはどうだろう。
赤ワインも好いが、白ワインが美味しく感じる時季であることは間違いない。

ついで話、ワイン1本を一度に飲みきれなかった時のために、ビー玉をいっぱい買い置きしておくと良い。
瓶に残ったワインの中にビー玉を1個ずつすべり落としていき、液面が瓶の口に近づいたら、栓をして空気を追い出してしまう。
この保存方法はフランスの家庭で昔から行われている。
日本では空気を抜く器具を購入して、瓶内を真空にする方法を採っているが、香りも少し抜き出てしまうので、翌日のワインに華やかな香りが失せていてがっかりしてしまう。
また窒素ガス充填の方法もあるが、こちらは味にぬめりが出てくるようだ。
何れにせよ、ワインは2人以上で飲んで、その日に空けることをお奨めしたい。
◎ 『子どもの日』と『母の日』にちなんで ―ちょっといい話―
4個のリンゴを3人で分けると、1人はいくつになりますか?
ある女の子が小学校の問題で1と書いた。持ち帰った答案用紙を見てお母さんがヒステリーをおこす。
「どうして、そんな問題ができないの!?」女の子はメソメソ泣いた。
どこかの家庭にある風景である。
だが、やさしいお母さんが、やさしく子供にきいた。
「3人が1つずつリンゴをとると1個あまるでしょう。その1個はどうするの?」
「その1個はネ、仏壇に供えようと思ったの。でも、そのことを書くところがなかったから、書かなかったの…」
お母さんは、あなたはいい子だと、その子を抱きしめてあげた。
そんな親がいてほしいと思うのである。
コラム著者
ワインアドバイザー【(社)日本ソムリエ協会認定】
きき酒師【SSI認定】
フードオーガナイザー(食養管理士)【FBO認定】
中村 正法
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